第75回 

参加者  大村允久 別府秀和 福山道雄 久野末勝 濱口修光 中原正栄 吉松貴文 小野恭一 井村聡子 冨永史子 福山博久

2016.3.13 20:00
28年3月11日(金)集落住民に対し宿泊施設建設計画について以下のような説明がありました。
設計提案のコンセプト(説明:株式会社ネストアット奄美 取締役 山下保博)
1.奄美を大事にし、芦徳を大事にした計画でありたい
  1-1. 景観に溶け込み、かつ近隣の視界を遮らないよう建物を低く抑える。
  1-2. 芦徳の自然を守り、昔ながらの海の風景に近づける。
   i. 奄美の昔ながらの風景に近づける。
   ii. 奄美固有の海岸植生を形成する。
  1-3. 海や砂浜を常に綺麗に保ち、地元と共有する。
2.地域住民との連携・地域素材の活用
  2-1. 芦徳の祭りや奄美の行事に積極的に参加したい。
  2-2. 地元の素材の活用
   i.椎の木(イタジイ)の建築材への利用
   ii.奄美の白砂の舗装
  2-3. 地元の農産物・海産物の活用
  2-4. できる限りの地元雇用
3.工事の安全と赤土流出防止に対する考慮
  i.赤土流出防止対策の沈砂池の設置
  ii.工事期間中の交通計画

【質疑応答】
以下の意見質問に対したつぎのような回答がありました。
・会社の規模資本金等について
  手元に資料がないのではっきりしたことは言えませんが,シンガポールでホテル業,不動産業を幅広く行っている会社であり,簡単に倒産するような会社ではありません。
社長はシンガポール人ですが奥様は大笠利の人であり,私も屋仁出身で大高の卒業生です。
・工期,予算について
  28年の4月中旬から着工し,29年連休前にオープンを予定しています。お客様には別荘感覚で来ていただき,ゆっくりと過ごしてもらいたいと考えています。工事費は約6億円を見込んでいます。
・建物の概要について
  建物は上に住んでいる方の眺望を考慮して,2階建てで,計10棟建てます。小さいプール付きとなり,壁,床等は島の椎の木(イタジイ)を泥染して黒っぽい色となります。
客層としては1㎡900円の宿泊費を考えており,年配の富裕層を考えています。
・工事で注意すること
  切土盛土は最小限に抑え,現状に近い形を残します。赤土流出防止には沖縄で採用されている二重構造にして上水だけを流すようにします。
・海岸,砂浜
  砂浜は綺麗にして地元との共有を図ります(プライベートビーチにはしません)。
・海洋汚染について
・プールの排水で海が汚れることはないでしょうか。
  プールは循環式を採用し,年に1回1/3を入れ替えることにしていますが,海を汚さないように,塩素の濃度を下げたり,配水時期をずらしたりして海に影響を与えないように注意していきます。海は私達のお客さんも遊ぶ場所なのできれいな海の維持に細心の注意を払います。生活排水は全て浄化槽を通します。
・その他
  従業員の宿舎ははっきりとしていない。
レストランはオープンで一般客も利用できるようにします。
敷地内はカートで移動します。
海岸への出口は1か所作りますが,できるだけ海岸の植生はそのまま活かして,奄美の昔の海岸線を再現したいと思います。
海にあるビーチロック等には手を付けません。

【当日の意見質問】
・工事が始まると交通量が増え子どもの交通事故が心配です。集落内ではスピードを控え事故が絶対に起こらないようにしてください。
  施工業者間で十分に話し合って安全協会を作り,登下校時には運転を控える等配慮し事故が起こらないようにしていきます。
・赤土の流出防止に万全を期してください。この下の海はモズクの養殖場になっており何か影響が出てきたら法的手段に訴えることも考えています。
  海が汚れることは,私達も困ることなので汚さないようにしていきます。

特に明確な反対意見はなく,概ね説明を了承したものと考えます。今後は更に細かい要望をきめ細かく出していきたいと思います。